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ロック・クラシック [ムービー付き音声ファイル]

追記:2010.5.7
やっと暖かい日がふえて、堅かったバラのつぼみも徐々にふくらんできました。いくつかは、朝、開いてきたと思ったら、お昼にはすっかり開ききっていました。ベランダのバラ、その他の5月連休中のスライドショーです。音楽はスカボロフェアで。
5月
以下旧記事:
ペーター・ホフマンを語る場合、ポピュラー活動を無視するわけにはいかないでしょう。私はオペラ歌手としてのペーター・ホフマンにまず出会ったのですが、少なくともドイツには、ポップス歌手、あるいはロック・ミュージシャンとしてのホフマンしか知らないか、まずそのように出会った若者も少なくないようです。

ホフマンがいわゆる思春期に、ビートルズやプレスリーなどの音楽に惹き付けられ、仲間とバンドを結成したのは、ごく自然なことでしょう。子ども時代から、クラシック音楽に傾倒するほうが特殊なのではないかと思います。手作りのアンプ、安物のギター、そして何よりも仲間意識こそが最大の宝といった感じのバンドで、最大の成果は、ダルムシュタットの米軍クラブ内のダンス・スクールでの公演だったそうです。
親たちの反対と妨害にはずいぶん憤慨したようです。だれかれが父親にラテン語の単語の暗記を強制されて、練習に出られなくなったり、公演に参加できなくなったり、ある医者の息子は、バンドのことは親には絶対秘密だったとか。ホフマンはこのバンドのリーダーで、ギターとヴォーカルを担当し、編曲もしたということです。徴兵と共にこのバンド活動は終わり、間もなく、オペラ歌手への道を歩みはじめることになったわけです。
ドイツではクラシック音楽(E-Musik)と娯楽音楽(U-Musik)を峻別する傾向が強いようです。もちろん、クラシック音楽が上というわけです。2003年刊の伝記の著者はこう言います。
 「彼が、オペラのほかに、ポップスを歌いはじめたとき、熱心なオペラファンも、この種の音楽に突如として興味を持った。そして、ポップスファンは大声でわめくこのタイプに興味津々になり、急きょ、オペラにかけつけた。あるジャーナリストは、全く熱狂的に書いたものだ。 『彼はクラシックの鎖を引きちぎったのだ。古いオペラは死んだ。ペーター・ホフマン、万歳』  もちろん、クラシックにも、同様にポップスの分野にも、そういうものを絶対に受け入れようとはしない純粋主義者もまた存在する。今ではとっくの昔に、オペラ歌手が、いわゆるポップスをやるのは、当たり前のことになっているが、1980年代に、あえてこれを行ったのは、ペーター・ホフマン一人であった。彼はポップスとクラシック音楽間の区別が厳しい時代の先駆者であり、クロスオーバーが一般的に受け入れられた時代に彼を模倣した者たちの先駆けだった。オペラの舞台では、完璧なジークムントやパルジファルであり、若いオペラファンにとっては、ポップス歌手でもあった。世界的オペラ歌手であると同時にポップスターであると言えるのは、ホフマンが最初であり、当時は、彼しかいなかった。」(マリタ・テーシュマン)


 「私は、いわゆるクラシック音楽(ersten Musik)を専門職とする者が、ポピュラー音楽(娯楽音楽Unterhaltungs-Musik)を楽しむのはよくないという考えは持っていない。この逆も同様である。」(ペーター・ホフマン)


 「祖父は教会音楽家として始め,『いつも壁に沿って Immer an der Wand lang』に行き着いた。私は『ハロー、メリー・ルー  Hello, Mary Lou』で始めて、タンホイザー、そしてトリスタンに行き着いた。  ドイツにおいて、一部の純粋主義者にとって、前者は芸術的転落であり、後者は芸術的上昇である。ただしかし、同時に、何にしろ再現芸術というものは、着想を得てそれに適切に手を加えることに比べて、はるかに創造的でないと考えるべきだろう。」(ルネ・コロ)


 「彼(P.ホフマン)のように売れるロックなら少しは歌ってもいいかもしれないが・・・私の考えではこの音楽には表現するものがあまりにも少ししかないから、どっちみち、私には歌えないんじゃないかと思う。」(ジークフリート・イェルザレム、こう言ってますが、数年後にはポップスというか、少なくともクラシック音楽ではないのを歌ったCDを出してます)


 「私はホフマンに、クラシック以外の音楽とのかかわりに対して警告したことも忠告したこともない。常に陰から、彼のポップスへの寄り道を擁護していた。」(ヴォルフガング・ワーグナー)


 「ペーターがロックを歌うようになったことについてですが、このことは彼に喜びをもたらしました。彼は上手くやっていて、声を損なってはいないと思います。ロックを通して大勢の友人をも得ています。社会的地位のある方々さえも彼の音楽を愛してくださっています。ですから、私たちは彼の意志に任せています。」(エミー・ザイバーリッヒ)


ペーター・ホフマンは、オペラ歌手として忙しく働くようになり、オペラに情熱を傾けつつも、決して「ロックミュージック」を忘れたわけではなかったと言います。そして、転機が訪れます。1982年のことです。

 「ビートルズやストーンズその他の良質のロックミュージックやポップミュージックと共に成長した、私と同世代の多くのオペラファンは、オペラ以外の音楽も高く評価している。私はかなり前から、ロックミュージックを再開することを本気で考えていたが、仕事に追われて計画を進める時間はなかった。そんなある日のことだ。当時CBSソニーの制作マネージャーで、後にソニーの社長になった友人のヨッヘン・ロイシュナーが訪ねてきた。ヨッヘンが私の目下の予定を聞くので、弟のフリッツが、またすぐオペラハウスからオペラハウスへの移動になるが、今は一時的にニューヨークに滞在しているのだと、説明した。ヨッヘンは身を乗り出して、『ペーターは、ずっと前のことにしても、ビートルズその他のロックミュージックをやっていたわけだから、適性があるにちがいない・・・』と言った。その後、ニューヨークから家に戻ってみると、机の上に正式な企画書が置いてあった。ロックのレコードをつくりたいという気持ちになったが、例えばチャートに載るというようなだいそれたことは期待していなかった。とにかく楽しかった。ベルリン・ドイツ・オペラ・オーケストラのメンバーとロックミュージシャンたちと録音している間に、音楽はどんどん力強くボリュームいっぱいになっていった。怪物「 ロック・クラシック」が生まれた。」

★続き★

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コメント 10

TARO

これってオリジナルの日本盤のCDジャケットということですか?
クリックしてAmazonに飛ぶと、すごくワグナーぽい(?)写真になるんですが。
by TARO (2005-07-28 10:08) 

euridice

>これって
そうです。ごめんなさい^^; 同じ写真じゃつまらないので、こちらのは1990年発売の日本盤ジャケットです。

Amazon.de のはあちら盤のジャケット。この写真は1983年刊の伝記の表紙にも使われています。
>すごくワグナーぽい
ですか?。?)
by euridice (2005-07-28 14:49) 

NO NAME

>>すごくワグナーぽい
ですか?。?)

トリスタンの1幕とかマイスタージンガーぽくないですか。
日本盤のほうは、クプファー以後のバロック・オペラとに出てきそう。あ、バロックじゃなくてロックですね。
by NO NAME (2005-07-29 00:27) 

りょー

こんばんは。ロックというよりも、ポップス?あるいはクロスオーバーだとは思うのですが、記事をアップしたので、TBさせてください^-^
by りょー (2005-07-31 21:51) 

euridice

りょーさん、こんばんは。
>ロックというよりも、
ジャンルにはほんとに疎いので、何と言うべきか、私にはわかりません。ロック、あるいは、ロックミュージックという語は、伝記内の語をそのまま日本語にしたものです。

TB、ありがとうございます。これから行きます^^!
by euridice (2005-07-31 22:03) 

りょー

>>ロックミュージックという語は、伝記内の語をそのまま日本語にしたもの

あ、ええと、ホフマンさんの歌ってらっしゃるのは、伝記の表記のままでいいんだと思います。トラックバックさせていただいた記事の曲が同じジャンルなのかどうかが私にもサッパリ分からないもので^^;ああいうのは果たしてなんて言ったらいいんでしょうかねぇ。
by りょー (2005-07-31 23:38) 

ななこ

待ちに待ったバラの開花も暑さと風であっけなく終わってしまうことも多いですね。
最後の方の逆光の中ですっくと立つバラがとても印象的です。

ホフマンのポップスの中ではやっぱりこのアルバムが一番好きかも・・・です。
スカボロフェアも映画館で見た「卒業」のサイモン&ガーファンクルの歌が印象深く聞き込んでいましたが、あくまで映画の中での歌としてでした。
ホフマンのこの曲を聴くと独立した曲として聞き惚れます。

クラシック的発声ではない声・・・かすれた声とかつぶした声とか絶叫声とかそれぞれにそのジャンルでの価値は分かるし嫌いではないのですが、本質的に無理のないクラシック的発声が好きです。
それがいかにもオペラ的に大仰にやられるとつまらないのですが、ホフマンはその辺りのセンスが抜群でポップス側からもクラシック側からも受け入れられる稀有な歌手ではないでしょうか。
低音域から高音域まで充実して硬質でクリアなホフマンの声は何を歌っても様になってますよね。


by ななこ (2010-05-09 14:11) 

euridice

ななこさん、ありがとうございます。

それにしても、風が強い日が多いです。
上階なので地上よりは強くなるでしょうし・・

スカボロフェア、朝日のあたる家などと一緒に
オオムカシに英語の教材で知りました。
素直に、美しく歌われていました。
いい歌だと思いました。
ホフマンの歌を知ってから、
その歌い方が退屈に感じられるようになりました。

サイモン&ガーファンクルは耳にしたことがあったかもしれませんが
印象に残っていませんでした。ホフマンの後でCDで聴きましたけど・・
特にどうということもなく、今は思い出せません。

by euridice (2010-05-10 21:15) 

ななこ

こんばんは
トップのバラ素敵ですね。
周りのぼかし方もセンスよくて、私も少し学ばなくてはと思います。
by ななこ (2010-05-19 23:59) 

euridice

ななこさん、見てくださってうれしいです。

いたんだ手すりとか
枯れた花とか
古植木鉢とか
周りがひどいので、
ぼかすしかないというところです。
by euridice (2010-05-24 10:37) 

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オペラ歌手の歌うポップス(Bravissimi!! 2005-07-31 21:50)

先日、今年のワールドゲームスのログに、クリーヴランダーさんから貴重なコメントを頂きました。そのまま下のログにもぐってしまうのも勿体ないので、紹介します。 こちらのサイトの中でクーラの歌う2005年ワールドゲームスのオフィシャルソング"Once In A Lifetime"の収録風景のビデ…[続く]

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