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ドン・ジョヴァンニ@オーチャードホール [劇場通い]

芸術の秋の締めくくりでもないけど、ベルギー、モネ劇場来日公演、行きました。このオペラを劇場で観るのは二度目と言っても、最初のは日本語上演でした。なんとなく演歌か唱歌に聞えたけど、歌詞はほとんど聞き取れませんでした。レポレッロのいわゆるカタログの歌の「セントサン」は今でも耳についてますけど・・・

このオペラを初めて知ったのは、やっぱり映像で、J.ロージ監督の映画(1978年)でした。ジョヴァンニの周辺の人たちが歌う長大なアリア(今回も意識が遠のくのに抵抗するのがかなりつらかった・・・ どの歌手も良い声でしたのに・・)にはちょっとついていけませんでしたが、まず、フィナーレの晩餐場面以降終わりまで、もう一カ所、ドン・ジョヴァンニがツェルリーナを誘う二重唱、それから、エルヴィーラ家の窓の下、マンドリン伴奏で歌うセレナーデ、すぐに気に入りました。この三カ所、繰り返し観たり聴いたりしたものです。次第に、そういう気分のときなら、長大アリアも心地よく楽しめるようにもなりました。

次に印象的だったのは、古いザルツブルクの記録(舞台映像、フルトヴェングラー指揮)古いので単なる舞台の記録的映像だし、画質もよくないのに、とても引き込まれました。多少歌手は違いますが、この録音もよく聴いたものです。

あれこれレーザーディスクやテレビ放送を観て、結局もとの映像に戻って、このオペラから、気分的にも離れて数年、今回の来日公演です。

いつも読んでいるFOOS FOR SOULや、こちらの記事のTBからおじゃましたところ、その他に、詳しくておもしろい、そうそう、なるほど、なるほどの鑑賞記が載っています。

オーチャードホールはコンサートで行ったことがありますが、オペラは初めて。タンホイザーで懲りたので、今回はど真ん中で観ましたが、舞台が遠い・・ かなり暗い舞台だったので、老眼にはちょっとつらかったような気がします。顔の表情がつかみにくかったのがとっても残念です。ひとりに注目してると、別の人が行方不明・・ これで見逃したこと、かなりありそう。(詳しい鑑賞記を読むにつけ、残念な気持ちがふくらみます)このホール、響きのむら?があるとよく耳にしますが、どうなのでしょうか。また、今回は古楽器使用という話です。こういうこともその理由に含まれるのかもしれませんが、音楽的な迫り方がちょっと物足りなかったです。ゾンビと化した騎士長登場後の音楽は、もの凄くデモーニッシュな響きを期待するのですが、肩すかしの気分でした。従って、一転大喜びの皆さん登場の軽くて明るい音楽との落差感が薄くて、堪らなく微妙な解放感あるいは開放感があってほしいんですけど、なかったのも残念でした・・・。

悪の魅力的要素を極力排した演出のようで、このドン・ジョヴァンニには、愛すべき点は皆無、ぞっとする怖い男でした。上手に創られた映像で観てみたいものです。

納得できないというか、演出意図がわからないこと。あの世の騎士長を招待した晩餐の場。ドン・ジョヴァンニの素足。せっかくのセレナーデ、窓辺に美女は現れないままだったような・・ 

やっぱり舞台物はリスクがあるわ、と思ったこと。ドン・オッターヴィオがハンプティダンプティに変更になってました。予告されてたトロスト、映像でちょっと注目で、楽しみにしていたのに・・・ 

舞台美術で一番迫力だったのは、地獄落ちの場に登場した巨大な死の天使。大きな黒い翼を舞台いっぱいにひろげ、巨大な剣を手にした骸骨の姿。もっとずっと出ていてほしかった・・・

ど迫力の大立ち回り。なんと言っても一幕冒頭、逃げるドンナ・アンナを取っ捕まえて事に及ぼうと、抱きすくめるドン・ジョヴァンニ、必死で暴れるドンナ・アンナ。騎士長殺しは、過剰防衛。殺意ありあり。倒れた瀕死の騎士長におおいかぶさって何をしているのかと思いましたが、しっかり息の根とめてたということらしい・・・

一瞬何事か?!と驚いたこと。マゼットとツェルリーナの結婚式の場。レポレッロにお尻を触られた村の女の悲鳴。薄暗い中、突如響く凄い大声・・・

参考:
ジョセフ・ロージー監督「ドン・ジョヴァンニ」
ロリン・マゼール指揮 パリ・オペラ座 1978年

ドン・ジョヴァンニ:ルッジェーロ・ライモンディ
ドンナ・エルヴィーラ:キリ・テ・カナワ
ドンナ・アンナ:エッダ・モーザー
ツェルリーナ:テレサ・ベルガンサ
レポレッロ:ジョゼ・ヴァン・ダム
オッターヴィオ:ケネス・リーゲル
特別出演:
イザベラ・アジャーニの弟
ルッジェーロ・ライモンディの最初の妻
ロケ地の歴史的建物

フルトヴェングラー指揮、ウイーン・フィル 
ザルツブルク音楽祭 1954年
ドン・ジョヴァンニ:チェーザレ・シェピ
ドンナ・エルヴィラ:リーザ・デラ・カーサ
ドンナ・アンナ:エリーザベト・グリュンマー
ツェルリーナ:エルガ・ベルガー
レポレッロ:オットー・エーデルマン
オッターヴィオ:アントン・デルモータ

詳細鑑賞記は SardanapalusさんのFOOS FOR SOUL、こちらにトラックバックされているShevaさんの鑑賞記にお任せしますので、よろしく!


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コメント 10

Sheva

euridiceさま、拙宅にお越しいただきまして誠に光栄でございます。
私はオペラ初心者ですのでお恥ずかしい限りです。
こちらは、やはりSardenapalusさまにリンクなさっている関係で時々遊びに来ていました。すばらしい知識と観点でいつも感心していました!
感謝です。ところでうちに張っていただいたTBがどうもこの記事にうまく飛ばないのですが、どうしましょう? URLが違うのかしら?
もしお暇な時にまたつけていただければありがたいです。
こちらからはTBの変更ができないのです!
あとLink欄に登録させていただければ幸いです。
by Sheva (2005-10-08 23:15) 

euridice

Shevaさん
こちらこそです。コメント&TB、ありがとうございます。
>ところで
ごめんなさい。アップがなかなかできなかったため、妙な具合に触ってURLが変になっていました。直したところ、私のTBからこちらに飛ぶようになったのですが、今度はShevaさんのTBが消えてしまいました。ご面倒かけますが、もう一度、TBしてくださるとうれしいです。
>Link
よろしければどうぞ^^! 私のほうもさせてください。よろしくお願いします。
by euridice (2005-10-08 23:59) 

Sardanapalus

TBとリンクありがとうございます。こちらからも(1)だけTBさせていただきました。そうそう、Shevaさんのレポートは本当に細かくて素晴らしいです!お2人の仲介になれて嬉しいです♪

>かなり暗い舞台
暗かったですね~。私が見たマクヴィカーの演出の中でも一番暗かったです。レポレッロとエルヴィーラの逃げ込む東屋なんて本当に真っ暗で誰がどこにいるのか分かりませんでしたね。

>堪らなく微妙な解放感あるいは開放感があってほしいんですけど、なかった
>悪の魅力的要素を極力排した演出
マクヴィカーは「ワルって魅力的よね~」などと言っていられないレベルのジョバンニ像を提示してますね。そのサイコっぽいジョバンニに振り回されている周囲を見続けるのはかなり疲れました。しかも最期の重唱シーンでもジョバンニが舞台上で死んでいる状態+淡々としたオケと指揮で歌われるので、開放感は無いですよね。重たいというか、血の味がこってりしそうな感じの終わり方(^_^;)これも「魔笛」同様、王道の演出を見てからの2本目としてみてみるのがいいと思いました。
by Sardanapalus (2005-10-09 00:14) 

euridice

Shevaさん、改めてトラックバックしてくださって、ありがとうございます。

Sardanapalus さん、
こちらこそ、おかげさまで、興味深い記事を読むことができました。
>東屋なんて
全然と言っていいほど、見えませんでした^^;

>マクヴィカーは
そうですね。この人の演出を生で観られてよかったです。それにしても、精神的にひきつってしまうようでした・・・
by euridice (2005-10-09 08:02) 

YUKI

オペラって日本語で歌うと聞え難い事が多いですよねぇ。(^^;)
やはり発声法からだと思うんですけど。。。(--;)
ここ最近では日本語上演でも字幕がつく事もある様に聞いた事があります。
by YUKI (2005-10-09 16:48) 

euridice

YUKIさん
日本語をオペラの旋律に載せるは至難の技なんでしょうね。日本人が作曲したものでも、何言ってるのかほとんどわかりませんもの・・・ね^^;
by euridice (2005-10-11 08:02) 

keyaki

ロージー監督「ドン・ジョヴァンニ」のドン・ジョヴァンニのR. ライモンディが「ドン・ジョヴァンニ」について語っているインタビュー記事をアップしましたので、TBさせて頂きました。
by keyaki (2005-10-11 20:04) 

euridice

keyakiさん
TB、どうも^^! この記事で、映画を久しぶりにみたくなりました。その記事のほうをkeyakiさんへTBしました。ライモンディのドン・ジョヴァンニ観を知って観てみると、改めて納得させられてしまいすね。
by euridice (2005-10-12 14:39) 

miken_001

お邪魔します・・日が立っていますがご案内です 
 ご覧になってますか?
 大野和士 氏 個人運営HPで
感想文 募集しています。皆様も応募しましょう。
モネ劇場 ドン・ジョヴァンニ・・と演奏会の感想を
http://www.horie-nobuo.com/
by miken_001 (2005-10-31 06:55) 

miken_001

失礼しました アドレスが切れていました。

http://www.horie-nobuo.com/ono/
by miken_001 (2005-10-31 06:59) 

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ドン・ジョヴァンニ歌手の「ドン・ジョヴァンニ」観(keyakiのメモ、メモ......... 2005-10-11 16:41)

マクヴィカー演出の「ドン・ジョヴァンニ」がSardanapalus さんのブログで取り上げられていますので、私も便上して、R.ライモンディの「ドン・ジョヴァンニ」観をご紹介したいとおもいます。ヨーロッパではドン・ジョヴァンニ歌手というレッテルを貼られていたライモンディのそれぞれの役柄の…[続く]

SimonKeenlysideasDonGiovanniopeningnightPart1(シェヴァのバレエ鑑賞記 2005-10-09 00:17)

ベルギー王立歌劇場「ドン・ジョヴァンニ」2005年10月4日(火)東京・渋谷 Bunkamuraオーチャードホール台本:ロレンツォ・ダ・ポンテ作曲:ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト指揮:大野和士演出:デイヴィッド・マクヴィカー合唱指揮:ピアーズ・マキシム合唱:...

オペラ「ドン・ジョバンニ」(1):演出・舞台編(FOOD FOR SOUL 2005-10-09 00:15)

今回日本に帰ってくるに当たって一番楽しみだった、モネ歌劇場来日公演「ドン・ジョバンニ」を4日に見てきました。 やっぱり私はマクヴィカーの演出大好きだーーー!(^o^) 流れるように進むし、各キャラクターの描き分けもはっきりしていて分かりやすいし、正に「歌だけがオペラじゃない」と…[続く]

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