R.シュトラウス「サロメ」1997年コヴェントガーデン [オペラ映像]
王家というよりは一般家庭内のトラブルっぽく矮小化されていて家庭劇サロメという印象ですが、意外に納得できます。このサロメは、王女というよりは、どこにでもいそうな十代の少女。崩壊しかかっている家庭の不良娘という雰囲気。
ヘロデ夫妻の奇人変人ぶりも極まっています。ベルリン・ドイツ・オペラの映像より年をとったはずのマルフィターノがむしろ若く、少女っぽくみえます。振り付けのこともあるでしょうが、踊りも上手くなっているようで驚くやら感心するやらです。どちらも歌はもちろん、視覚的にも、演技的にも役柄にぴったりだと思います。
アニア・シリアのヘロディアスは貫禄ですが、ケネス・リーゲルのヘロデ王、相当いっちゃってます^^; 栄養の行き届いた石器人みたいなヨカナーンはちょっと・・;場違い気味・・
アニア・シリア(1940.04.17- ドイツ)のヘロディアスには昨年(2004年3月)新日本フィルの定期演奏会で実際に出会えましたが、とても魅力的でした。
R.シュトラウス作曲 サロメ
クリストフ・フォン・ドホナーニ指揮
リュック・ボンディ演出
コヴェント・ガーデン1997年
王女、サロメ:キャスリーン・マルフィターノ
預言者、ヨカナーン:ブリン・ターフェル
ヘロデ王:ケネス・リーゲル
王妃、ヘロディアス:アニア・シリア
衛兵隊長、ナラボート:ロバート・ギャンビル
edcさん、こんにちは。TBありがとうございました。
>栄養の行き届いた石器人みたいなヨカナーン
はは、まったくです。あんな男のどこに惚れたんだか・・・(爆)。でも、全体の出来はなかなかですね。ロイヤル・オペラではユーイングの名高いプロダクションもありますが、私としてはこちらの方が好きだったりします。
TB返しさせていただきます。
by Orfeo (2005-12-18 08:29)
Orfeo さん
こちらこそ、TBありがとうございます。
>どこに惚れた
声に惚れたんでしょう^^;
で、サロメちゃん、ど近眼なのに見栄はって眼鏡かけないから・・
by euridice (2005-12-18 10:06)
新日フィルの時のシリア、聞きましたが、本当に魅力的でしたね。あの時のサロメ役の人もとても良かったと思いましたが。
このリュック・ボンディとドホナーニの映像もわりと好きです。
マルフィターノはスザンナとか歌ってる時代しか知らなかったので、驚きましたけど。いつの間にかサロメとかトスカとか歌ってて。
by TARO (2005-12-18 21:18)
マルフィターノを最初に知ったのは、たしかMETの百周年のガラで、クラウスと一緒に『ロメオとジュリエット』の二重唱を歌った時だと思います。彼女の実演に接したのは、1990年、ウェルシュ・ナショナル・オペラの来日公演でのサロメ。アンドレ・エルゲン演出の、19世紀末、イギリスの支配下にあるカイロを舞台にした上演でした。この時は脱ぎませんでした。サロメの中では、このボンディの演出とともに好きな舞台なんですが、どこかに映像、残っていないでしょうか。ウェルシュ・オペラの名誉総裁はプリンセス・オブ・ウェルズなので、ダイアナ妃がチャールズ皇太子といっしょに観劇していました。この時もう不仲が囁かれていて、ダイアナがチャールズに一度も話しかけなかったのが印象に残っています。
by Bowles (2005-12-19 02:31)
TAROさん
同じ日だったら、すれ違ってたかもしれませんね.....まさか
お隣に座ってた方じゃないですよねぇ^^;
>マルフィターノは
ポネル演出の映画版「ティートの慈悲」(1980年制作)を見たことがありますが、
後でそれに出ているのを知りました・・ 見直してみましたが、
可愛い感じでした・・
Bowles さん
テレビで、ショルティ80歳記念のオテロ1992年を見ましたが、このときも皇太子夫妻が一番のみものでした.... けっこう映してたと思います^^;
by euridice (2005-12-19 07:47)
マルフィターノとユーイングが80-90年代の特徴的サロメ歌いということになるのでしょうが、2人とも少女っぽいエロティシズムのある不思議なサロメでしたね。ニルソン、リザネックといった重量級サロメに接したことがないので解りませんが、TAROさん、正統派サロメというとやはりリザネック・タイプでしょうかね?
このボンディ演出は、92年サルツのプルミエであちこちで上演された有名なプロダクションでしたね。パリにも97年にシャトレに来ましたが、歌手はヨカナーンがヘイルに替わった他は主要役は同一、ただ指揮は残念ながらビシュコフでオケはパリ管でした。19世紀没落家族の鬱屈した情念が渦巻くみたいなボンディの演出も中々力があったし、シリヤはやはり、声の衰えを超えたド迫力でしたね。
マルフィターノを小生が初めて聞いたのは、88年パリ・オペラ・コミックの「タイス」で声の状態は惨憺たるものでした。後にインタビューで、当時は舞台活動を中断しないまま、教師について声楽テクニックを根本的に変えていた最中の、辛い時期だったことを知りました。この再教育は成功したようで、その後シェローの「ジョヴァンニ」のエルヴィーラ、バレンボイム指揮「フィデリオ」のレオノーレ、ツァーデク演出「マハゴニー」、そして「サロメ」と重めの役でばかり聴きましたが、いつも多少の声楽的なキズは超えたドラマ的に説得力のある歌を聴かせてくれ、独特の劇的キャラクターを持った歌い手さんだと思います。
>TAROさん、
私はモーツァルト歌いのイメージがあったE・モーザーのサロメにぶつかって驚いたことがあります。衰えたコロラトゥーラ歌手が力んで歌っている感は拭えず、ちょっと辛かったです。
by 助六 (2005-12-19 10:18)
>euridiceさん
ああ、あの時に隣に座っていた絶世の美女が!
--なんてことになったら面白いですが、さすがに隣が男性か女性かすら覚えていません・・・
>>ポネル演出の映画版「ティートの慈悲」
あーっと、見てるのに、すっかり忘れてました。。。
>助六さん
私は官能というのは重めの声じゃないと出せないという偏見(?)を持ってるので、やはり正統派はドラマティック・ソプラノということで。
さらに「重量級」に加えて「ある熱っぽさ」が、リザネックのサロメを魅力的にしていて、すごく説得力があると思います。
ミュンヘンでのケンペ指揮のライヴをバイエルン放送が持ってるはずなので、Orfeoあたりから出して欲しいんですが。ヘロディアスはヴァルナイだし。(私は持ってるんですが、オープン・テープなので聞けない状態。)
>>E・モーザーのサロメ
うわ。ちょっと想像がつかなさすぎです・・・
夜の女王とドンナ・アンナのイメージがあまりにも強くて。
たしかにカバリエやストラータスのようなリリックな歌手でも歌ってはいますが、なんとまあエッダ・モーザーとは。
by TARO (2005-12-19 22:50)
あー、この映像、昔よそ事しながら見ました。でも、
>栄養の行き届いた石器人みたいなヨカナーン
のインパクトのある姿しか覚えてません(笑)母親と2人で「え、このヨカナーンがいいの?」と呆然としたのを覚えています。
>衛兵隊長、ナラボート:ロバート・ギャンビル
あら、この前のバイエルン来日で見たタンホイザー氏ですね。この映像ではどんな衣装だったのかも全く覚えてないですが、じゃあ一応映像で見ていたんだ。ちょっと意外な発見でした。
by Sardanapalus (2005-12-20 04:38)
TAROさん
>あの時のサロメ役の人
実際には三人のサロメに出会ってますが、総合的に一番よかったかも・・ 新国の最初の人はただいるだけ・・って感じで、二度目は歌は迫力で満足だったけど、半裸の踊りが醜悪すぎ・・多少斜めから見たせいもあって、数段腹が・・^^;
Sardanapalusさん
これって、映像の作り方もあると思いますけど、集中して見ないとおもしろくないみたい..... そうするとあの家族三人しか印象に残らないって感じです。ナラボートはいたって影が薄いです...^^;
by euridice (2005-12-20 06:40)
興味深く読ませていただきました。
edcさんのブログは、コメント欄もとても勉強になります☆
楽しいクリスマスになりますよう♪
by おさかな♪ (2005-12-23 07:13)
>コメント欄もとても勉強になります☆
コメント欄は^^!というところですね。
みなさんのお陰です。私もいろいろ新しいことを知って、
刺激を受けて楽しんでます。
改めて、ありがとうございます!!!
これからもよろしくお願いします。
みなさんが年末年始、無事に楽しく過ごせますよう♪♪♪
by euridice (2005-12-23 07:50)