ワーグナー「ワルキューレ」バイロイト1992年 [オペラ映像]
ワーグナー「ニーベルングの指環」四部作のうち第二話「ワルキューレ」(ハリー・クプファー演出、ダニエル・バレンボイム指揮、バイロイト音楽祭1992年収録)クラシカ・ジャパンで放送中です。今月中、一週間ずつ四作品が順次放送されます。国内版DVDも「ワルキューレ」から順次発売中。
「ワルキューレ」は以前NHKで放送されたときにも見ました。この映像、なんだか求心力に欠けるというか、感情移入、難しいです。視覚的にどうも落ち着きません。動きがきまらない感じ。ジークムントがいかにも「駆け足!」って感じでとことこと駆け回るたびにしらけます。
ジークリンデも望まぬ結婚で意気消沈してるのはわかるけど、そんなに肩を落として前屈みにならなくたって.... えらく老け込んで、精気が感じられません。声と合わないです。やくざっぽいヴォータンも元気がいいのはいいけど、肝心なところで身体をふらふらさせないでほしい......
この映像は、バイロイト音楽祭で1988年から1992年まで上演され、最後の年に観客無しの特別公演を収録したものです。
1988年の新演出初年と翌年、ジークムントはペーター・ホフマン、ブリュンヒルデは、初年だけかもしれませんが、デボラ・ポラスキでした。ペーター・ホフマンは絶不調だったとか、最悪の批評を目にしました。1989年の放送は聴いていませんが、うんと酷かったのかもしれません。1990年某誌には、新ジークムントに関して、昨年までのホフマンよりはましとありました。
1988年のFM放送に限っていえば、「聴くにたえない」ほどかしらと思います。ホフマンとしては最高ではないかもしれませんが....
ワルキューレのひとりとして片桐仁美が出演。1988年の放送の中でインタビューがありました。最近は見た目のいい歌手が優先されるのが残念だみたいな発言がありました。後に新国立劇場のヘロディアス@サロメ、マンマ・ルチア@カヴァレリア・ルスティカーナなどで、出会いましたが、この発言を思い出してしまいました。
ジークムントのポール・エルミング(1949- デンマーク)パルジファルを上野で見ました。ジークリンデのセクンデ(1951- アメリカ)新国立劇場で魅力的なエレクトラでした。フリッカ役の歌手は(1954- スコットランド)新国立劇場こけら落としの「ローエングリン」で、迫力のオルトルートでした。ワルキューレの一人、ヨハンソンはやはり新国で、歌はすばらしかったけど三段腹がきつかったサロメ。来シーズンはレオノーレ(ベートーベン:フィデリオ)の予定です。
ワーグナー:ワルキューレ
ダニエル・バレンボイム指揮
ハリー・クプファー演出
バイロイト音楽祭1992年
ジークムント:ポール・エルミング
フンディング:マティアス・ヘレ
ヴォータン:ジョン・トムリンソン
ジークリンデ:ナディーヌ・セクンデ
ブリュンヒルデ:アン・エヴァンス
フリッカ:リンダ・フィニー
ワルキューレたち:リンダ・フィニー、エヴァ・ヨハンソン、ルート・フレーレン、シャーリー・クロース、片桐仁美、エヴァ・マリア・ブントシュー、ビルギッタ・スヴェンデン、ヘーベ・ダイクストラ
おまけ:バイロイト音楽祭1988年、ダニエル・バレンボイム指揮、ハリー・クプファー演出「ワルキューレ」1幕フィナーレ 関連記事:バイロイト音楽祭1988年 (2)

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DVDライブラリーより。 『ニーベルングの指環』シリーズの第一夜。心ならずも今はフンディングの妻となっているジークリンデは、疲れて飛び込んで来たジークムントを介抱しているうちに愛しあい、帰宅した夫に薬







edcさん、こんにちは。
なるほど、このプロダクション、最初はペーター・ホフマンが出ていたんですね。それは存じ上げませんでした。
それまでバレンボイムが苦手だった私が、はじめて、「おっ?いいかも?・・・」と思ったのが、この『ワルキューレ』でした。再演を重ねての最後の年、というのが大きかったのかもしれませんね。後年、パリで聴いた『ローエングリン』で絶望することになりましたが・・・(笑)。
TBさせていただきました。
by Orfeo (2006-08-16 09:47)
このジークムントはランボーに見えます。そのせいか歌も演技もランボーなかんじです。^^!!
by keyaki (2006-08-16 10:06)
私もなぜかバレンボイムはバイロイトの方が本領を発揮するような気がします。コロとのトリスタンが素晴らしかったのでベルリンのCDも期待したのですが全然良くありませんでした。彼のオペラを生で見たことがないのですが本当の実力はどのあたりにあるのでしょう?
by たか (2006-08-16 20:49)
実は、バイロイトのこのクプファー版《指輪》ってのは、これはもう典型的、ヴィデオの二次元平面に還元されちゃうと、元も子もなくなる舞台なんです。うーん、これだけは、もうどうしようもないですねえ…。
う〜んと詳しくは…以下をご参照あれ。1991年度第2ツィクルス全公演につき各幕毎公演翌日に、当時雑誌《テアトロ》の編集長をされていた故野村喬さんと現地でやった対談(ほぼ)全文です。その1/100くらいのダイジェスト版が『音友』に出ました。
>http://perso.orange.fr/kinoken2/intv/intv_contents/bayreuth_91/intv_nomura_ken.html
なお、同じチームがリメイクしたベルリン州立歌劇場版は、なにせレパートリーに組み込むことを前提として作り直した制作ですから、もっとお手柔らかにやってます。ヴィデオで見るなら、むしろこっちだよね。
きのけん
by きのけん (2006-08-17 03:05)
Orfeoさん、TBありがとうございます。
あらすじなど、頼らせていただきますm(_ _)m
by euridice (2006-08-17 16:43)
keyaki さん
ランボーというより、ウドの大木か電信柱が動いてるみたいじゃないですか。粗野を表現しているとすれば、演出意図なんでしょうから、プレミエと同じ歌手で見てみたかったかな^^;
by euridice (2006-08-17 16:45)
たかさん
私は指揮者がどうとかは、全然わかりませんが、
>ベルリンのCD
って、クリムトの「接吻」がジャケットに使われてるのですね?私も好きじゃなかったです・・・
by euridice (2006-08-17 16:50)
きのけんさん
お越しくださり恐縮です。ご紹介くださった対談、いつごろだったか、この映像を見る前だったと思いますが、拝読しております。対談の主の専門家の方とヴァーチャルながら、直接お会いできるというのは、活字メディアではほぼあり得ないことで、感慨深いです。とても興味深く読ませていただきました。知らない舞台のお話ですから、わからないところも多々ありましたが、ホフマン関連では、「彼が三年目にエルミニイに代わったことにより、クプファー自身の考えがかなり変わったのかな、とも思えるのですが」というところ、どう変わったのかしらと興味津々だったものです・・・
劇場には全然と言っていいほど行っていませんから、専ら実際の舞台を観ていらっしゃる方々がほんとにうらやましいです。いつもおもしろいお話、楽しんでいます。これからもよろしくお願いします。
by euridice (2006-08-17 16:53)
>やくざっぽいヴォータン
私にはファーのついた皮のロングコートとサングラスにあの髪型、ってことで70~80年代のロック歌手に見えますが(笑)
ステージ上はスモークにレーザー光線が飛び交い、ワルキューレ達も何だかハードロックな格好に見えて仕方ないので、初めてこの映像を見たとき神族はハードロック・バンドなのかな?なんて思ってました。改めて見直すと、誰も彼もあちこち走らされて大変な演出ですね(^_^;)きのけんさんの仰るとおり、映像だとつまらなくなってしまう典型的な演出だと思います。せめてハイビジョン撮影ならまだマシだったかも…?音だけなら充分聞ける演奏だと思いますが。
by Sardanapalus (2006-08-17 18:06)
>バレンボイム
そうです。クリムトの絵がジャケットのやつです。
追加の写真みました。バレンボイムは本当に小さいですね。年の離れた兄弟みたいですね(^^;
by たか (2006-08-17 19:25)
初めまして!…なんて(笑)。
あんな、長ったらしい、面倒なものをお読みになっていらっしゃったとは、感謝感激!どっかから出そうなんて言ってた時に、野村先生が亡くなっちゃったもんで(1)、そのままになってます。
(1):http://perso.orange.fr/kinoken2/html/actualites/nomura_deces.html
>どう変わったのかしらと興味津々
よく憶えてますよ。あのクプファー版《ワルキューレ》は当初、2年次くらいまでは、ペーター・ホフマンがジークムントを演るものとはっきり想定して作られたものだと思います。まあ、あの制作は、なにせ、最初の4年間はバレンボイム+クプファー+歌手全員が毎年四ヶ月間もバイロイトに缶詰になって作り、完成させた舞台ですから、3年目からは変わりましたが、最初、エルミニイ(エルミンク)の動きは、もう完全にペーター・ホフマンのそっくりさんだったですよ。最初なんか、随分無理してるなあ…なんて感じ。あの床が上がってるところからパッと下へ飛び降りる場面なんて、あまり身軽じゃないんだよねえ…。上を歩いている時も、なんか、のっしのっしって感じだったし、その違和感が翌年から消えてなくなったんで、あっ大分動きを手直ししたな…という感じだったんです。エルミニイはあの前年だかにバリトンからテノールに転向したばかりの歌手で、もうちょっとゴッツイ感じで、随分無理してペーター・ホフマンの真似をしてるなあ…なんて(笑)。
これと同じ感じだったのがゲッツ・フリードリヒ+ジェイムズ・レヴァイン版《パルジファル》で、フリードリッヒはかなりいい加減な演出家だから、クンドリが初演時のレオニー・リザネックからマイヤー様に代わっても、何もしないわけよ。なにせリザネックのために考えた演出なもんで、クンドリがボロを着て舞台前面脇に蹲ってるわけ。ああいうのはリザネックだからサマになるんで、マイヤー様じゃ、サマになんないの!…。ゲッツ・フリードリヒは知らん顔でそのままやらせちゃってたけど、クプファーはちゃんとジークムントの動き…、体の動かし方をがらっと変えてましたよ。
それはそうと、keyakiさんとこにリンクを張らしてもらった、アムステルダムの《指輪》稿(2)を読んでたら、随分ペーター・ホフマンの名前が出てくるんだよね。…うん、そうか、僕が最初に見た《ワルキューレ》の二つ共、ジークムントは、ペーター・ホフマンだったんだな!…なんて、ああいう第一印象って、随分残るもんなんですねえ…。
(2) : http://perso.orange.fr/kinoken2/k2_archive/arch_wagner/ring_ams99/ring_ams99_init.html
>「 (…)そうそう、僕の隣に座ってたアメリカ人のバアサンが、ここまではコックンコックン寝てたのが、ペーター・ホフマンが脱ぐ段になると突然目を覚まして、騒々しくオペラグラスを出して、夢中で覗いてやんの!へーぇ良く知ってるなあ、と怖れいったよ(笑)!(…)」
>全部読む↑:リンク
きのけん
by きのけん (2006-08-18 05:16)
Sardanapalus さん
>ハードロック・バンド
レーザー光線といい、そういえばそんな感じですね。
テレビ画面だとかなりしらけますけど、劇場にいたら、幻惑されて舞い上がっちゃうのかもしれません。
by euridice (2006-08-18 08:09)
たかさん
>年の離れた兄弟みたい
こういう写真、珍しいです^^; 調べると、年齢的にはバレンボイムのほうがちょっとだけお兄さんです。バイロイトでは、1986、87、88、89と毎夏のおつきあいだったということですね.....
by euridice (2006-08-18 08:12)
きのけんさん
さっそくご説明くださり、うれしいです。ありがとうございます。はじめはもっとドタドタやってたってことかしら^^; リザネク→マイアーのお話、へ〜〜そうなんですか。フリードリヒって細かそうですけど、そういう点は大雑把なんですねぇ・・・これは映像がないのが残念です。
居眠りしてたのに、いざとなるとさっとオペラグラス取り出した「おばあさん」のお話は最高!忘れられません。
by euridice (2006-08-18 08:19)
>きのけんさん
この時のフリードリヒのパルシファルをビデオに撮るという話があったはずですが結局どうなったかご存じありませんか?
この演出「原子力パルシファル」って呼ばれていたと記憶していますが、「ミスター保守」のレバインが気に入らなくてお蔵入りしているという噂を聞いたことがあります。70年代末から80年代半ばにかけてのバイロイトの上演はこのパルシファルと、失敗だったホール/ショルティの指輪の2つを除いては全部ビデオになっているので録画してあったとしても不思議はないと思うのですが?
by たか (2006-08-19 14:22)