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トリスタンとイゾルデ ジュネーブ2005年 [オペラ映像]

Tristan Und Isolde (2pc) [DVD] [Import] ワーグナー:トリスタンとイゾルデ
ジュネーブ大劇場2005年
アルミン・ジョルダン指揮、スイス・ロマンド管弦楽団
オリヴィエ・ピー演出
トリスタン:クリフトン・フォービス
イゾルデ:ジャンヌ=ミシェル・シャルボネ
ブランゲーネ:藤村実穂子
クルヴェナール:アルベルト・ドーメン
マルケ王:アルフレード・ライター

意外なことに主要キャスト、イゾルデ以外は一応知っている歌手。
トリスタンは、テレビで見た東京のオペラの森の公演 の気色悪いお歌と外見のオテロだったテノール。これが、長い間開封しなかった一因かな^^; ブランゲーネは新国立劇場のエボリ公女(ドン・カルロ)をはじめに、フリッカ(ワルキューレ)、ワルトラウテ(神々の黄昏)、イダマンテ(イドメネオ)、映像や録音のブランゲーネでもおなじみ。クルヴェナールは印象に残ってはいませんけど、映像、録音など、どこかで視聴した名前。調べたところ、ハンブルグの「魔弾の射手」(映像)のカスパーなど。マルケ王は、最近見た「まよえるオランダ人」(映像)でダーラントでしたし、新国立劇場では長身痩躯の若いザラストロ(魔笛)イゾルデだけははじめて、全然知らないソプラノ。

この中では、イゾルデが一番よかったと思いますけど、1幕では、あまりのいかつさにすっかり興醒め。2幕で再びびっくり。1幕は、山姥化粧だったらしい。2幕は別人かと思うほどの変身。だいぶどころか、見違えるように女らしくなっていました。外見だけでなく、声も聴きやすく、なかなか。1幕で見るのをやめなくてよかったです。ブランゲーネ、歌は悪くないけど、お化粧と髪型、これもわざと醜くしていたのではないかと思うほど。何もブランゲーネが醜い必然性はないでしょうから、もうちょっとなんとかしてあげてほしいわ。エボリ公女の呪われた美貌の歌も違和感なかったし、フリッカも凛とした女神の雰囲気でしたから・・ 1幕なんて、姫も侍女も、長い睫毛が上向いて自己主張しすぎで、まるで漫画か、不機嫌なびっくり人形みたいでした。彼女らに対して、なぜか、どアップで時々出てくる複数のバイオリン奏者は、美人ぞろい。

とにかく目立つのが、醜悪な顔面どアップの多用。最近の映像ですから、とっても鮮明で、うぶげやら、化粧の乗りやら、カツラの詳細までが、はっきり。そういうのが意図的なのかもしれませんけど、個人的希望としては、なるべく美しく見える距離と角度で撮ってもらいたいです。それと、楽器群や奏者、指揮者の手のアップ、これもじゃま。フィナーレ「イゾルデの愛の死」の間、指揮する手が頻繁に挿入されますが、どういう意図があるのやら全然わかりませんでした・・目障りなだけ。映像監督のご趣味なのかしら?

イゾルデの変身もあって、残念ながらカットありでしたけど、2幕はとても楽しめました。外見も好みのタイプではないし、こもった声がどうもねぇ・・のトリスタンも、2幕ではこもり方の程度が軽くなり、まあいいんじゃないかと許容できる部分も。しかし、再び、マルケ王登場直前の二重唱と王の問いに答えるあの、ホフマンが「最高に美しい部分」と言っている箇所はなんだかね・・。マルケ王は、歌も、お顔や全体的に醸す感じも、雰囲気じゃなかったです・・違和感大。

3幕のモノローグは、めりはり、緩急不足で退屈。歌詞のはっきりするべき語が際立たず、ダラ〜と流れてしまうというか・・ 

トリスタンの亡き父母と思われる男女と子どものトリスタンらしい上半身裸の男の子が登場。母の面影なんでしょうか、白いドレスに長い髪の華奢な女性が、水の中から浮き上がったり沈んだり、浅瀬に横たわったり、歩き回ったり、水中でも水の外でも悲しげにもだえてみせたり、甲冑姿の男がハムレットの父王の亡霊よろしく水中にたたずんでいたり、子どもも水から出たり入ったり、お城や船の模型で遊んだり、水中から長大な剣をひっぱりあげたり、これってエクスカリバーかな? 水浸しの母親が息子に王冠をかぶせたり・・トリスタンの周囲でいろいろやってくれるんですけど、歌だけで退屈しないようにとの配慮かなんて思ってしまいそうでした。

3幕の舞台、浸水した部屋にベッドがあるのです。ここは遠浅の渚なのか、浸水した船内なのか、周囲は深いプールのようですが、海なのでしょうか。3幕のトリスタン、私だけのイメージかもしれませんけど、長髪と髭と衰弱を表現しているつもりらしい無表情のせいか、なんだかぼわっとした聖骸布のキリスト顔なのが気に入らないのですが、子どものトリスタンが水中からひっぱりあげた剣を手にベッドに倒れ込むとき、アーサー王の円卓の騎士に見えました。

全幕を通してですが、劇場で見た場合、どうなっているのかわかりません。時々、モノクロのぼやけたトリスタンやイゾルデや男の子などの映像が挿入されます。この映像は上下逆さまだったりもします。これって幽体離脱のつもり?これは印象的でもなく、あまり効果的とも思えませんが、3幕の舞台は水と光の具合など、映像的かつ絵画的な美しさがあります。2幕も、イゾルデが美しくなったせいが大きいかと思いますが、構図的にも色彩的にもなかなか良いです。1幕は暗いだけで、登場人物は醜いし、やれやれ・・ それでも、途中でやめてはいけないという見本みたいな映像でした^^;;

はるかにためになるし参考になる感想が、こちら「オデュッセウスのワグネリアン日記」にあります。


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コメント 4

オデュッセウス

TBありがとうございました。ようやくTBする方法がわかりましたので、こちらかからもTBさせていただきます。

それにしてもこの映像、映像監督のセンスのなさが痛いですね。このイゾルデ、上手く撮ればかなり美形でしょうし、肝心な場面での指揮者の手のアップ、また時々緑がかった映像処理、微妙に斜めの撮り方、一体どういうセンスなのかと思いますよね。
by オデュッセウス (2007-10-11 21:15) 

euridice

オデュッセウスさん、
TBありがとうございます。

>映像監督
何だよ〜〜と思うところが少なくないですね。それに、イゾルデとブランゲーネ、特に1幕、あんなに醜く撮ることないと思います。イゾルデはあまりのごっつさにびっくりしました。子どもの絵本にあった北欧のトロルみたい・・2幕の変身ぶりが際立ったとも言えますけど・・何なんでしょ???
by euridice (2007-10-12 08:40) 

ぴっぽ

映像クリップ、興味深く拝見しました。
水面が大変美しいですね。
シーツにそれだけ出血してるんなら、もう死んでるんじゃないの(笑)?とか。
また掲載写真のイゾルデのカツラや服装には懐かしの80’sの香りがします(笑)。
媚薬の場面や愛の死などをようつべで拝見した限りでは、
緑がかったモノクロ場面がいきなり挿入されたり、カット割の意図が良く分からないです。

ご紹介参考になりました。どうもありがとうございます!
by ぴっぽ (2007-10-14 22:21) 

euridice

ぴっぽさん
実際に劇場で見たらどうなんでしょうか。
映像、あのぼけたモノクロ映像や、オーケストラ、
指揮者の手などの挿入がうるさくて、落ち着きがなさすぎでしたね。
挿入一切不要と思いますけど・・
by euridice (2007-10-15 07:07) 

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ジュネーヴ大劇場『トリスタン』(オデュッセウスのワグネリアン日記2 2007-10-11 21:02)

いよいよバレンボイム/ベルリン『トリスタン』が明日になりました。オデュッセウスにとって4回目の『トリスタン』ですが、多くのワグネリアンが絶賛する『トリスタン』ですが、オデュッセウスはなぜか一番苦手な作品なんですね……。今回の公演に向けてはかなり集中して予習に励みましたので、本当に楽しみで…[続く]

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