戦場のアリア [映画]
戦争と音楽がとりあえずのテーマの映画、「戦場のピアニスト」というのもテレビで見ましたが、なんだかもやもや感があるような感じでしたし、「戦場の・・」はもういいというところで、この「戦場のアリア」は題名は知ってましたが、見たいとは思いませんでした。けれども、この間見たテレビ用映画「ニーベルングの指環」でちょっと変わった魅力を発散していたジークフリート役の俳優ベンノ・フュルマンが出演しているというし、歌は私も映像ではけっこうおなじみの目下「旬」の有名オペラ歌手、ナタリー・デセイとローランド・ビリャゾンだというので、見る気になったというわけです。原題、JOYEUX NOEL クリスチャン・カリオン監督 2005年、フランス、ドイツ、イギリス合作映画
第一次世界大戦中に、ヨーロッパはフランスの前線で、実際にあったことをもとにした映画だそうです。戦争・・このどうしようもない現実に胸が塞がります。『感動の戦争ドラマ』などという気分にはとてもなれません。こういう惹句、なんだか変だと思います。
『戦争映画』と言っても、もの静かな映画でした。存在しなかった登場人物を加えるなど当然脚色はされているのですが、実話に基づくということで、けっこうドキュメンタリーっぽい感じもあります。つまり、感動で涙ということはないけど、退屈ということもない・・でも、なんとなく中途半端な感じも・・
クリスマスの歌はともかく、他の歌は既存の曲ではなく、新たに作曲したものだそうです。スコットランド兵たちの故郷を想う歌など、民謡かと思ってしまいました。ソプラノ歌手の歌うアヴェマリアも魅力的です。こちらは、特典映像で見た録音中のデセイより、ソプラノ役の女優さんで聴くほうが雰囲気がありました。デセイが今後も自分の歌として歌いたいと言ってました。舞台で歌えばきっと良い雰囲気なんでしょう。テノールのほうは、私としては、俳優と声がちょっと合わないような気がしました。
アメリカ映画ではないことも関係しているかもしれませんが、登場人物がそれぞれの言語を話しているのがいいです。多少煩雑な感じはしますが、これが現実ですもの。みんなが英語を話すという違和感はありません。吹き替え当然の国々ではどうしたのでしょうか。字幕付けたのかしら・・。それとも、やっぱり吹き替えちゃった? それとも、あの程度のフランス語、英語、ドイツ語、ラテン語ならなんとかわかっちゃうとか?
戦場で殺し合いをさせられる兵隊たちと、後方で命令したり、鼓舞したり煽ったりする人たち・・ 現場での「サボタージュ」は当然見せしめ的厳重処罰が行われるか、闇に葬られるわけで・・ この第一次世界大戦で散発したという「事件」は、映画では緩やかな処罰と闇に葬るで決着しているように見えますが、実際はどうだったのでしょうか。
ちなみに、ネコも登場します。特典映像に未公開場面というのがあります。首に「幸運を!」とか敵国語で書いた札をつけてスパイをしていたとかって、処刑されちゃったという話で、スパイネコ銃殺場面も撮影。これ、なんと実話だそうですけど、だれも信じないだろうからカットしたとかって話してましたが、カットでよかった。酷いよ!
おまけ:アヴェマリア ナタリー・デセイ 期間限定
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▼クリスチャン・カリオン《戦場のアリア》(仏・独・英、2005)Christian CARION, JOYEUX NOËL これも第1次世界大戦のお話。1914年12月、フランス・スコットランド連合軍







この映画、私はBSデジタルで放送されたときに見ました。公開当時に映画館で見たいと思っていたのですが、丁度イギリスと日本を行き来していて見逃してしまったのです。最前線で殺し合い、敵対する相手とつかの間「人間」として交流する兵士達がご都合主義にならずに淡々と描かれていて、私はけっこう好きです。
>『感動の戦争ドラマ』などという気分にはとてもなれません
これって「感動」する話なのでしょうか?人間の愚かさを改めて実感する話だとは思いましたが。「戦場のアリア」というのも何だかピントのずれたタイトルですよね。原題がシンプルに「Joyeux Noel」という点を考えても、変に狙ったタイトルにしすぎだと思います。
ところで、クリスマスソング以外は新たに作られた曲だったとは知りませんでした!あのスコットランドの曲は、私も本当の民謡かと思ってました。それじゃあ、この映画のサントラを買わなきゃ(^^)吹替えの歌声は、私は余り違和感無く聴けました。シュプリンク(テノール歌手)がいつも血管切れそうな歌声だな~とは思っていましたが(笑)
by Sardanapalus (2008-01-14 22:30)
Sardanapalusさん
邦題で損してますね・・少なくとも私はそれで見る意欲が失せていました^^;;
>新たに作られた曲
DVDには音楽メイキングというのがついていて、これがおもしろかったです。
ソプラノとテノールの二重唱は、既存の曲を大幅に編曲しているのだそうです。
特典映像を見ると、主要スタッフはフランス人みたいです。
各国の子どもがだれもいない教室で「スピーチ」(の練習?)するという始まり方もユニークだし、スコットランドの片田舎から勇んで出征する兄弟とか・・(それぞれ思いは微妙に異なるようですけど・・)戦争を盛り上げていく過程のようなものもしっかり描かれていて、戦争肯定かつ賛美になりがちな「戦争映画」が多いなかで、反戦の難しさも思わせる「反戦映画」だと思います。
by euridice (2008-01-15 07:24)
誰でも流暢に英語を話すアメリカ映画というのは、本当に悪夢以外のなにものでもないです。あれで製作者が誰も疑問に思わないのだろうか、と、常々不思議に思います。のだめヨーロッパ編だって、その辺のことはちゃんと気配りしてやってましたよね(笑)。
この映画は、編集の段階でかなり尺を削ったような感じがします。そこが寸足らずになってしまったようで、ちょっと残念でした。
by Orfeo (2008-01-15 17:31)
Orfeoさん、TBありがとうございます。
>誰でも流暢に英語を話す
やっと言語の違いも意識した映画が普通になってきたみたいですね。
そうなると吹き替えも難しいかもしれませんけど・・
>のだめヨーロッパ編
なかなか巧くやってました^^;
by euridice (2008-01-16 17:19)