So-net無料ブログ作成

アイーダ 新国立劇場 [劇場通い]

初台へ行くのなら、ものはついでというわけで、一仕事片付けてから、友人と夕食、観劇ということにしました。で、四谷に行ったのですが、四谷名物(?)土手の桜はすでにほぼ満開。期せずして、良いお花見ができました。桜の下の黄色いのは、これも満開のレンギョウです。(写真クリック→拡大)

新国立劇場柿落とし公演の再々演。前二回は、まあがんばらなかったせいでもありますけど、チケットが取れませんでした。やっとゼッフィレッリの凝った豪華な舞台、衣装などを目の当たりにすることができたというわけです。はじめからおわりまで紗幕を通して鑑賞する舞台というのも初体験でした。舞台の壮大さ、大群衆の雰囲気などは、2階あたりから見たほうが、印象が強かったのではないかと思います。かなり前の方の席だったのはそういう意味ではちょっと残念だったかもしれません。詳細はこちら、新国立劇場のHPでどうぞ。「アイーダ」の劇場鑑賞はこれが初めてです。

一、二幕のスペクタクルは、次々と様々なものが登場して目が離せません。ラダメスは馬に乗って凱旋します。毎度ですが、合唱がよかった。ぞくぞくしました。三、四幕は、悲劇。お芝居として十分に説得力がありました。アライグマ、ラスカルみたいなラダメスに深く同情できました。高い身分、優れた軍事能力、高潔で誠実な人柄、そんな最高に立派な若者が、義務と愛に引き裂かれ、どうすることもできない。まさしく悲劇の英雄ですよねぇ・・ 彼を愛する二人の女性が、どちらもそれぞれ美しく魅力的で、感情移入をじゃましなかったのはほんとによかった。4幕、王女アムネリスの嫉妬と怒り、苦悩と悔恨、そして弔い・・劇的でした。ひたすら愛する人と全てを共有しようとするアイーダ、愛されなかった苦渋を胸にそれでも裏切った男を愛し、弔うアムネリス。どちらの思いもひしひしと伝わってきました。厳格で冷酷な高僧ランフィスも威風堂々。憎らしいけど素敵でした。このオペラ、前半のスペクタクルもいいけど、後半の悲劇にこそ、真の存在価値、感動があると思います。それを裏切らない公演でした。欲を言えば、ラダメスがもうちょっと美形で、もうちょっと抒情的で陰影のある声だったらいいのに・・プレミエのクーラで見たかった・・というところもありますけど、総合的になかなか良いラダメスだったと言うべきでしょう。休憩時間大サービスで、三回75分。たっぷり4時間。じっくり楽しみました。

   

歌手に関するメモ:
☆アイーダ:ノルマ・ファンティーニ(S イタリア)
新国立劇場柿落としの「アイーダ」でもアイーダでした。私が見たのは、「トスカ」「トロヴァトーレ」そして今回の「アイーダ」今回のアイーダが一番素敵だったように思います。トロヴァトーレは何故か印象がとても薄くて、全然覚えていません。

☆ラダメス:マルコ・ベルティ(T イタリア)
ロバート・ウィルソン演出の「アイーダ(アイーダは今回公演と同じファンティーニ)」ラダメスで名前を認識しました。これ以前にも、ゼッフィレッリ演出、ヴェローナ2003年「カルメン(カルメンはドマシェンコ)」のドン・ホセ、スカラ座1998年ムーティ指揮の「マノン・レスコー(グレギーナ&クーラ)」で学生エドモンドなどで視聴していたのでしたが、全然印象に残っていませんでした・・;; 以上は全部テレビ放送。他にネットで狐の嫁入りかと言いたいような「蝶々夫人」の映像を見ましたが、これのピンカートンもベルティだったのでした。映像では不細工なだけで、どうも印象薄いようです。

Forza Del Destino☆アムネリス:マリアンナ・タラソワ(Ms ロシア)華奢で美しいアムネリス、よかったです。全くはじめての歌手のようです。ゲルギエフ指揮の初演版「運命の力」のプレツィオジッラだったのでした。全然覚えてませんでした・・;;

☆アモナズロ:堀内 康雄(Br 日本)
新国で、ルーナ伯爵@トロヴァトーレを観ました。テレビでジェルモン@椿姫(藤原歌劇団公演 ヴィオレッタはエヴァ・メイ、アルフレート,佐野成宏)ルーナ伯爵はあまりいいとは思わなかったのですが、今回、アモナズロはとても似合っていました。

☆ランフィス:アルチュン・コチニアン(B アルメニア)
貫禄の司祭長、ランフィス、気に入りました^^!
見るのははじめてですが、ネットラジオで聴いた、ヴェルディ「ルイザ・ミラー」ヴェネチア、フェニーチェ2006年で、悪者ウルム役だったのでした。この公演、もうすぐDVDが発売だという話。みてみたいような・・

以下余談です。
「アイーダ」は、P.ホフマンの伝記にちょっとだけ顔を出しています。
『私もついに最初の契約を得て、喉の具合を気にして咳払いをする時代が始まった。ほとんど慢性化した気管支炎を抱えて、葬式の日みたいに駆け回り、キャベツみたいに青ざめていた。そして、常に大役担当だった。たとえば「アイーダ」では、舞台上で、トレーを捧げ持ったこともなければ、報告書を手渡したこともない、ということは、たった一言、歌うだけで、ラダメス役としての出番が回ってくるのをじりじりしながら待っている伝令役ではなかった。はっきりしているのは、伝令役が存在しなければ、ラダメスは、たとえミスをしても、全公演期間中にわたって、その埋め合わせをするための時間的余裕があるということだ・・)あのころは、泳ぎ方の本を手に握らせられて、水の中に放り込まれたような感じだった。浮かび上がるか、それとも浮かび上がらないかの、どちらかしかない。私は浮かび上がった。』
『最初の契約』とは、リューベック市立劇場との1972年10月ごろから1973/74年のおよそ2シーズンの専属契約です。

nice!(2)  コメント(22)  トラックバック(2) 
共通テーマ:音楽

nice! 2

コメント 22

サンフランシスコ人

「土手の桜はすでにほぼ満開」

サンフランシスコも、今満開です。

by サンフランシスコ人 (2008-03-27 11:40) 

hasida

タラソワはゲルギエフ指揮の初演版「運命の力」のプレツィオジッラをBS放送でご覧になられてるはずです。プロコフィエフ「修道院での婚約」でブレイク前のネトレブコと共演しているのも大変奇麗です。
by hasida (2008-03-27 21:42) 

gon

自分は土曜の最終日に行ってきます。ラスカルみたいなラダメスが楽しみです(笑)。
by gon (2008-03-27 22:06) 

keyaki

長いのに、長さを感じさせませんでした。やっぱり、幕ごとに舞台が変わるのがいいですね。
私も、鑑賞メモを記事にしましたのでTBします。
by keyaki (2008-03-27 23:59) 

euridice

サンフランシスコ人さん
>サンフランシスコも、今満開です
そう言えば、サンフランシスコの桜も有名ですね。

hasidaさん
>タラソワはゲルギエフ指揮の初演版「運命の力」のプレツィオジッラ
ありがとうございます。全然覚えていませんでした。
市販ビデオのパッケージが、主役のレオノーラじゃなくて、
プレツィオジッラなんですよね・・。
役の写真にしても、あまり似てないみたい・・

gonさん
感想楽しみに待ってます。
>ラスカルみたいなラダメス
新国サイトの舞台写真も、ラスカルの雰囲気だと思います^^;

keyakiさん
TB、ありがとうございます。
>幕ごとに舞台が変わるのがいい
全幕、全く同じ舞台というのは、やっぱり「経済的な問題」か
「手抜き」ですよね・・ ベルリン来日の「トリスタンとイゾルデ」
2幕の後帰っちゃった人がいたのは、やっぱりそのせいが大きいと
思いました。新国「アイーダ」で帰っちゃった人、少なくとも
見える範囲にはいませんでしたもの・・




by euridice (2008-03-28 07:18) 

YUKI

ホフマンも「アイーダ」を歌ってたのですねぇ?!
一度聞いてみたいですね。
彼だったらワーグナーの英雄ものが凄く素晴らしいからラダメスも素敵だろうなぁ?(*^o^*)・・・って想像したりもしていました。

見た目がラスカルみたいなラダメスって想像できませんが・・・
演技力や歌唱表現がピッタリの場合は涙を誘われそうになりますよねぇ?!(^o^)
by YUKI (2008-03-28 14:14) 

euridice

YUKIさん
>一度聞いてみたいですね。
可能性なさそうですけど、きけたらうれしいです^^+

>ラスカルみたいなラダメスって想像できません
新国の舞台写真も、そんな雰囲気ありません?
http://www.nntt.jac.go.jp/frecord/updata/20000041.html
左→右へ
アイーダ ラダメス
アムネリス アモナズロ
ランフィス アイーダ&ラダメス
by euridice (2008-03-28 21:27) 

ななこ

観劇記事を見かけるようになってから関心持ったのですが、会員の方でも頑張らなければ取れない人気だったのですね。
見事にSOLDOUTでがっかりでした。
再々々演に期待します。

紗幕はゼッフィレッリはボエームでも使っていましたが、声の通りに多少は影響すると聞いた覚えがあります。
新国立なら問題ないかもしれませんが声量が充分な歌手でないと辛い面がありそうですね。
でも、舞台の視覚的効果はありますよね。

あら、スキン画像がいつの間にかコブシ?


by ななこ (2008-03-28 22:09) 

YUKI

新国立劇場の舞台写真拝見させて頂きましたが・・・

ラダメスの歌手、何となく可愛いです!(*^o^*)
しかし表情がラダメスらしく絶望感漂わせる悲劇の英雄そのものの表情が感じられましたね!(^_^)
by YUKI (2008-03-28 23:32) 

euridice

YUKIさん
>何となく可愛い
でしょ?!
特に3幕からは、それらしくなって、
>悲劇の英雄
に思えました。

やっぱり、衣装、扮装、舞台装置、紗幕が効果的に作用したと思います。
ウィルソン演出みたいなのだったら、ラダメスだと思うのは、
難しかったかもしれません・・
by euridice (2008-03-29 08:43) 

euridice

ななこさん
>見事にSOLDOUT
そうですか。残念でした。
プレミエは、間際の電話でダメでした。
ローエングリンのほうは楽勝で取れたんですけど・・・

再演は、会員の先行郵送予約で取れませんでした。
これで取れなかったのは、アイーダだけです。

今回はシーズン予約。再演のときはシーズン予約に含まれていなかったと
思います。芸術監督交代前の特別上演ということでした。

>再々々演
早めにやってほしいですね。奇妙な新演出はやめて欲しいです。

>紗幕は
アムネリスの声が時にちょっともどかしかったですが、他のソリストは全然気にならなりませんでした。紗幕のせいかどうかわかりませんね。

1、2幕は、強烈な太陽と乾燥したほこりっぽさ、3幕はナイルのほとりの湿った空気、4幕室内では、湿っぽいひんやりした空気が感じられました。紗幕効果でしょうか。

>コブシ?
そうです。花が散ってしまった木もありますが、
この木はまだ花もきれいで、
白い花と根元の緑とのバランスが美しかったので
変えてみました。
by euridice (2008-03-29 09:00) 

つるりんこ

絶好の花見日和でしたが、振り切って見に行く価値ある公演だったと思います。
by つるりんこ (2008-03-30 18:51) 

euridice

つるりんこさん
ほんとうにそうでした。
by euridice (2008-03-30 19:22) 

オデュッセウス

さすがにこれは1度は観てみたいです。前回の再演時は郵送予約で1階最前列ど真ん中が取れました(!)が、両親にプレゼントしてしまったので……。
きっと再々々演があるでしょう。で、またチケット代が上がってそうですね。
by オデュッセウス (2008-04-01 18:32) 

euridice

>前回の再演時
このときは外れました。初体験でびっくりしたものです。
ご両親にプレゼントですか。孝行息子ですね^^+++

>きっと再々々演があるでしょう。
早めに期待したいですね。
by euridice (2008-04-02 07:28) 

サンフランシスコ人

びっくり! 。「アイーダ」で指揮者が、ラダメスと指揮の両方を公演。

http://www.post-gazette.com/pg/08093/869798-388.stm
by サンフランシスコ人 (2008-04-04 05:33) 

サンフランシスコ人

2日前、ピッツバーグ・オペラ(一つ公演)で、指揮者がラダメスと指揮の両方を同時に公演しまた。
by サンフランシスコ人 (2008-04-04 09:33) 

euridice

>指揮者がラダメスと指揮の両方を同時に公演しまた。
舞台には声が出なくなったラダメス役のテノールがいて、
指揮者が指揮をしながら、ラダメスのパートを歌ったということですね。
ラダメスと指揮の両方を同時にやった指揮者は声楽を学んだのが
大いに役に立ったわけだ・・。

オペラ、いろいろな事故があるものですね・・
ピアノその他の楽器で一流奏者の指揮者も多いことですが、
声楽をやった指揮者もめずらしくないでしょう。
有名歌手から指揮者へって人もいますし・・
オペラ指揮者としては声楽勉強した人が適任ってことですね。
事故のおこりやすいテノールが便利かも。

ドミンゴが指揮なら
はじめからテノール役は俳優さんに頼むのもいいかも・・^^?!
by euridice (2008-04-04 09:42) 

サンフランシスコ人

「指揮者が指揮をしながら、ラダメスのパートを歌ったということですね。」

想像できません!

「オペラ指揮者としては声楽勉強した人が適任ってことですね。」

シドニー生まれの指揮者ですね。

http://www.antonywalker.com/
by サンフランシスコ人 (2008-04-04 10:04) 

HASESAN

歌劇は滅多に鑑賞する機会がないのですが、アイーダに思わず反応してしまいました。

ヴェルディの管弦楽曲を聴こうとすると、歌劇の序曲

ナブッコ
アイーダ
運命の力
ルイザミラー
シチリアの晩鐘

大学時代は、この5曲が好きで、繰り返し聞いていました。
カセットテープ時代、FMラジオの録音だったと思います。
なんだか、とても懐かしく思い出しています。
私事で失礼しました。

by HASESAN (2008-04-09 18:35) 

euridice

サンフランシスコ人さん
>指揮をしながら
うなっている指揮者はけっこういます^^;が、ちゃんと、しかもオペラを歌うってのは、難しいんじゃないかと思います。凄いですね!

>シドニー生まれの指揮者
気さくそうな方ですね・・
by euridice (2008-04-09 23:23) 

euridice

HASESANさん
>ヴェルディ
オペラ以外の管弦楽曲もあるのでしょうか・・?

>運命の力
一度聴いたら忘れられませんね。
映画やドラマにも良く使われていますし。

>シチリアの晩鐘
この序曲も好きです。

このあたりの序曲は、オペラ全曲の縮小版という感じですね。

>私事で失礼しました。
とんでもありません。いつでも気楽にコメントなさってくださると
うれしいです。

by euridice (2008-04-09 23:30) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 2