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ドヴォルザーク「ルサルカ」ミュンヘン2010年 [オペラ]

rus.jpgほかほかの「ルサルカ」を聴きました。ミュンヘン、2010年10月23日の公演のラジオ放送です。クラウス・フローリアン・フォークトが王子役だというので、聴いてみることに。女声は皆さん、お美しいようです。ルサルカ役も水の精の老人役も、名前を見たことがあるような気がしたら、ルサルカは、残念ながら行かなかった来年6月の新国再演「蝶々夫人」の蝶々夫人(キャンセルです。この方だったら行ってみたいかな・・と思っていたのですが・・2011年1月追記)、水の精は、やはり新国「チェネレントラ」(昨年6月)の王子の先生役でした。

ルサルカ役のオポライスは、ニーナ・シュテンメがリハーサル初日に降りたのを受けて、メトのムゼッタ@ボエームをキャンセルして、こちらに出演。ルサルカ役はロールデビューだそうです。
一番有名な歌「白銀の月」

ドヴォルザーク:ルサルカ
バイエルン国立歌劇場2010.10.23
Tomás Hanus指揮
(マルティン・クシェイ演出)
ラジオ放送(インターネット)
さすがに原語(チェコ語)歌唱

ルサルカ(S):Kristine Opolaisクリスティーネ・オポライス(ラトヴィア)
王子(T):Klaus Florian Vogt クラウス・フローリアン・フォークト(ドイツ
水の精の老人(B):Günther Groissböckギュンター・グロイスベック(オーストリア)
魔女イェジババ(A): Janina Baechleヤニナ・ベヒレ(ドイツ)
外国の王女(Ms):Nadia Krastevaナディア・クラスティーヴァ(ブルガリア)
狩人(T):John Chest ジョン・チェスト
森林監視人:Ulrich Reß ウルリヒ・レス
料理人の少年(S):Tara Erraughtタラ・エロウト(アイルランド

全体的に美しい演奏ですが、少々単調。王子も美しく滑らかに歌っています。それにしても、フォークトの声って、やはり何と言うか女性的といいますか。言わば、王子も情熱欠如のルサルカと同じみたいで、実際区別がつきにくかったりするところありです。ボーイソプラノがそのまま大人になったような中性的な感じと言いましょうか・・ 

3幕フィナーレから
 

これを聴いたあとで、ホフマンを聴くと、ものすごく違う。余談ですけど、ホフマンのは、ドイツ語歌唱なので、多少言葉がわかるのもいいです。上の音声ファイルより長い(6:24ごろから同じ部分に入ります)ですけど、3幕フィナーレ、ホフマン王子の最後の歌は、こちら
全曲聴きたいなんて方は↓の関連記事へどうぞ。

関連記事:ペーター・ホフマンが王子のルサルカ

* * *
久しぶりの新「ルサルカ」ですので、ルサルカ体験をまとめます。

ドヴォルザーク作曲の「ルサルカ」というオペラを初めて知ったのは、チェコ スロヴァキアテレビジョン制作(1975年)オペラ映画のレーザーディスクでした。
ズデニェク・ハラバラ指揮
rslk.jpgボフミル・ゾウル演出 
ルサルカ:ミラダ・シュブルトヴァー
(カテリーナ・マチャチコヴァー)
王子:イヴォ・ジーテク
(ミロスラフ・ノヒネク?)
魔女:マリエ・オフチャーチーコヴァー
外国の王女:アレナ・ミコヴァー
水の精:エドウアルト・ハーケン

なかなか美しい映像です。音楽もなじみやすく、すぐに好きになりました。かなりカットがあると、後に知りましたが、大した問題ではないでしょう。括弧内は俳優です。ユーチューブにいくつかあがっています。フィナーレをリンクします。フィナーレ-1フィナーレ-2

これがホフマンが吹き替えたというテレビ映画かと思ったりもしましたが、もうひとつ同時期に、多くのオペラ映像を制作しているペーター・ヴァイグル監督のものがあり、そちらだという不確か情報があります。この映像のチェコ語吹き替えは、ガブリエラ・ベニャチコヴァーとペーター・ドヴォルスキーです。フィナーレ-1フィナーレ-2
私ははじめに見たほうが好きです。

他にはイングリッシュ・ナショナル・オペラの英語版(1975年)、プラハ国民劇場(1998年)をテレビ視聴しました。フィナーレ-1フィナーレ-2

眺めてみると、なぜか1975年ごろが多いです。たまたま目に触れただけなのでしょうけど・・イングリッシュ・ナショナル・オペラの王子は、後にワーグナーテノール?!として有名になったジョン・トレレーベンだったのでした。

そして、最後がパリ・オペラ座バスティーユ(2002年)のテレビ視聴、フレミングのルサルカです。関連記事:フレミングのルサルカ

いろいろ聴くと言語的な雰囲気もおもしろいです。訳語歌唱は、英語よりドイツ語のほうが合っているように思います。チェコ語はオペラ言語としてはやはりマイナーでしょうから、これを歌うのはネイティブ以外にはかなり難しいし、相当ずれがあるのではないかと思います。最初に聴いたのが、ネイティブによる歌唱。ベチャニコヴァとドヴォルスキーのはかなり雰囲気が違うように感じます。ユーチューブのコメントにスロヴァキアアクセントが強いとか書いた人がいます。両歌手とも母国語はスロヴァキア語でしょう。両言語は非常に近い関係なのですから問題は小さいと思いますけど。それはともかく、今回のは、声質のせいもあるのでしょうけど、特に王子は、かなり違う〜〜という感じが強いです。それでも、見ながら聴くと声質も含めてほとんど気になりません。

2010.10.31
「ルサルカ」づいて検索してたら、2009年末にはメトで上演されたとか。フレミングのルサルカ。王子は知らないテノール(Aleksandrs Antonenko: へぇ〜〜ラトヴィアのリガ生まれですって。オポライス、ガランチャ、コヴァルヴスカなどと同郷。最近の若い人には珍しく誕生日明記1975.6.26 http://www.kultura.lv/en/persons/30/
なんだかちょっとびっくり。ミュンヘンのほうがはるかにいいというか、心地よく聴けます・・ 嫌いなものを載せるのも何ですけど、備忘録として。


ついでに、メト1993年
 

もうひとつついで、ザルツブルグ2008年


このオペラの歌で有名なのは、何と言っても、ルサルカの歌う「白銀の月」で、このオペラの価値は、唯一これが含まれていることだけみたいな印象もあります。私としては、美しい歌だとは思いますが、これだけで取り出して大好きということはないです。例えば「蝶々夫人」の「ある晴れた日に」、高校時代の音楽の時間には、どこがいいのか全然理解できませんでしたけど、オペラの流れの中では、本当に感動的です。アリアしかもう演奏されないなんてオペラもありますし、そのアリアが感動的だからといってオペラはやっぱりつまらないというのもありますけど。例えば、映画「カストラート」の中でも印象的に歌われていた「泣かせてください」、CDでもいろいろ聴いて、好きなので、オペラ「リナルド」も全曲聴いたり、映像見たりしましたけど、オペラとしてはおもしろいと思いませんでした。「ルサルカ」はオペラとしておもしろいと思います。

それはともかく、テノールの歌もなかなか良いです。一カ所とても印象的な高い音があります。音程がどうとかには、ほとんど関心がないのですが、音程は何でしょうと聞かれたので、調べてみました。いながらにして調べられる便利な時代です。こんなのがひっかかりました。

The young American tenor Bryan Hymel made a most impressive European debut as the Prince, with heroically robust tone and good musical instincts. He seemed happier the higher he went, with a stunning top C in the final duet, which he hung on to as long as musically decent, and then sang his final phrases in melting half voice. Lovely! (Opera, October2007)

王子役のテノールの、あの高音は、高いド(いわゆるハイC)だということでしょう。そして、音感のある人に、その耳とキーボードで、確認してもらったところ、やはり高いドの音だということです。「ルサルカ」にもテノールの難関ハイCがあるんですね。

音源の配役;
メト1993年:ベン・ヘップナー(T)ガブリエラ・ベチャニコヴァ(S)
ザルツブルグ2008年:ピヨトル・ベチャラ(T)カミラ・ニールント(S)


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コメント 11

kametaro07

バイエルンの音声ファイル、ありがとうございます。
フォークトは実際に聴くと女性的とは思わないのですが、やはり人間離れしてるというか・・・・^^;
この音声でも・・・王子が妖精?ですね。
by kametaro07 (2010-10-26 13:58) 

keyaki

>Kristine Opolaisクリスティーネ・オポライス(ラトヴィア)
あれれ.....オポライスの蝶々さんは今シーズン(来年の6月)のはずですよ。
このソプラノさん、けっこうキャンセル魔?みたいなので、間際まで分りませんけどね。
4月のバレンシアの椿姫(アルフレードがグリゴーロ)をキャンセル(理由不明)
それから、今メトでやっているコヴァレフスカ&グリゴーロのボエームでもムゼッタの予定でしたが、キャンセル....ラトヴィア美人二人が出演するはずだったのに、残念でした。
これは、このミュンヘンのルサルカに出演のためです。タイトルロールですからムゼッタをキャンセルしたということですね。
毎度グリゴーロ絡み...... 情報がかたよってますね...(笑

マルティン・クシェイの演出ってどうでしたっけ....
まともなら映像で見たいですね。

by keyaki (2010-10-26 14:12) 

euridice

kametaroさん
>フォークトは実際に聴くと女性的とは思わない
そうですね・・ホフマン物語のときも、そんな風には全然思わなかったです。けど、この王子は・・ そう妖精?ですね。

by euridice (2010-10-26 20:36) 

euridice

keyakiさん
>今シーズン(来年の6月)のはず
あら、そうですか。シーズンチケット、パスしたことだけ覚えてました。

>マルティン・クシェイの演出
ザルツブルグ音楽祭の「ドン・ジョヴァンニ」「皇帝ティートの慈悲」を見てますね・・舞台写真はそう変でもなさそうですけど・・


by euridice (2010-10-26 20:42) 

euridice

>>マルティン・クシェイの演出
気になったので、ちょっと検索してみました。結果、
相当酷い(文字通りです)演出のようです。やっぱりというか、
この演出家なら普通では済むはずがないというか・・
「警告表示」をすべきほどの内容だったみたいです。なにしろ、普通の感覚ならfairy taleだから、子ども連れOKと思っちゃいますものね。

まあ、本当は怖いグリム童話ってところかも・・

録画していたそうですから、そのうち映像も見られるかも。


by euridice (2010-10-27 09:07) 

keyaki

やっぱりね.....
Intermezzoさんのカーテンコールの写真を見ただけでも分かりますね。
血、血.....
http://intermezzo.typepad.com/intermezzo/2010/10/oh-deer.html

グリゴーロが、ドイツではコンサートだけになるだろう...と言っているのも納得。これで本当に観客が増えているの?
by keyaki (2010-10-27 09:10) 

euridice

keyakiさん
そう、私も
まず血だらけが目に飛び込んで、やっぱり・・って思いました。

>Intermezzoさんの
ところでは、映像も少し見られます。
これだけで内容、よくわかります・・
そういう意味では、さすがに凄い。

リンク忘れて、しようと思ったら・・
リンクありがとうございます。
by euridice (2010-10-27 09:50) 

sarahoctavian

こんにちわ、はじめまして!ワタクシ、今度の日曜日にこのルサルカを観にいくので、すでに見聴きされた方のレビューにアンテナ張りめぐらせているところです。本物の鹿の屍を使うことに対して動物愛護教会からクレームがつき、プラスティック製に変更になったという前奏曲も、クシェイの解釈に較べたらまだカワイイもの。彼はメルヒェンにこめられた性的隠喩と読み取り(ありがちですが)、それは数年前にオーストリアで発覚した近親相姦事件(長年にわたって娘を地下室に幽閉して何人もの子供を生ませていたというおぞましい事件)を思い浮かばせます。ある新聞評には、メルヒェンを期待して来場していた小さい女の子たちの目にどんな風に映ったか・・せめて前もって子供向けでないとか明記すべきだったかも・・なんて書いてありました。
by sarahoctavian (2010-10-27 18:08) 

euridice

sarahoctavianさん、いらっしゃいませ。はじめまして。
それは楽しみですね。

音楽だけ聞く分には演出はとりあえず関係ないので、
誰の演出かも確認していなかったのですが、
コメントでクシェイ演出と言うことで、気になって
>Intermezzoさんの
ブログで説明と紹介ビデオを見ました。

>オーストリアで発覚した・・・
そういえばそういう事件だったんですね。
詳細は覚えてませんでした。
説明にそうあったのでだれとだれが?って不思議でした。

そういえば
歌詞でも、水の精の老人とルサルカは、お互いに、
お父さま、娘 と呼んでますね。

メルヘンオペラだからと子供連れで来た観客は、
抗議したかもしれませんね。


by euridice (2010-10-27 20:51) 

ななこ

びっくりです。
記事の流れからして、てっきりミュンヘンのなよなよ王子さまかと思ったら一番上のはホフマンじゃないですか^^

よくよく考えてみればまずeuridiceさんの脳裏に刷り込まれたホフマンの王子があって、そのあといろいろなのを聞かせてくださってるわけで別にeuridiceさんのひっかけでもなんでもないわけですよね。


それにしても最近の演出は話題性があればいいという風潮なのでしょうか??
日本の伝統舞台芸術はどれも様式がきっちり決まっていますが、それでも演じ手によって見る方はいろいろな感じ方が可能だと思います。
オペラもある程度の節度は保って欲しいものです。


by ななこ (2012-02-16 18:08) 

euridice

ななこさん、驚かせてごめんなさい。私もびっくりです。
>一番上のは
アリアドネのファイルでした。手がすべったみたいです。
ソネットのデフォルトの音声ファイルだと下に並んでいるファイルをクリックするだけなので、けっこうそういうミスが起こります。気をつけてはいるのですけど、気がつきませんでした。削除しました。もしまたお聞きになりたい場合はアリアドネの記事のほうにどうぞ。
>よくよく考えてみれば
考えさせちゃって申し訳ないです。単なるミスです。

この「ルサルカ」の演出は、そこから何か得た観客もいたわけでしょうけど、私としては、説得性を感じませんでした。



by euridice (2012-02-16 18:42) 

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